メンタルヘルスは、私たちの健康全体に深く関わる重要な要素です。仕事の進め方、人間関係、そしてパフォーマンスにも大きな影響を与えます。しかし、職場でメンタルヘルスの課題について率直に話すことに、どれほどの人が安心感を持てているのでしょうか。
この問いに対し、350人以上が回答しました。回答者の背景はさまざまでしたが、共通して浮かび上がったのは、「注目されたい」のではなく、「安心感、一貫性、そして本物の支援」を求める声でした。

- 会社が支援的であれば話す:55%
- 親しい同僚にしか話さない:21%
- 評価されるのが怖くて話せない:20%
- 話して助けになった:4%
※回答354名
半数以上の回答者が「企業が支援的である場合に限り、メンタルヘルスについて話す」と答えました。これは、自身のニーズを認識していても、それが共感や理解で受け止められるか、あるいは予期せぬ不利益につながるかを慎重に見極めていることを示しています。
21%の回答者は「親しい同僚にしか話せない」と回答。職場での信頼関係は、制度よりも個人的なつながりから始まることが多く、正式な方針があっても、感情的な支えを同僚に求める傾向が見られます。
20%の人が「話すことで評価が下がるのでは」と懸念しています。過去の経験、職場文化、社会的な価値観などが影響し、こうした不安は今も根強く存在しています。
「話して良かった」と感じた人はわずか4%にとどまりました。これは支援が存在しないという意味ではなく、支援が「見えづらい」「アクセスしづらい」「信頼されていない」可能性を示唆しています。
メンタルヘルスへの支援は、危機的状況に陥ったときだけでなく、日常的に継続して行われるべきものです。個人に「勇気を出して話す」ことを求めるのではなく、企業が「支援が当たり前にある」文化を築くことが重要です。
そのためには、以下のような取り組みが求められます:
- 専門家との連携
- アクセスしやすく、秘密が守られ、偏見のない支援体制
- 共感と一貫性を持って対応できるリーダーの育成
- 単発ではなく、継続的なウェルビーイングの対話の促進
支援は大げさな取り組みから始める必要はありません。必要なのは、安心して頼れる「アクセス」「一貫性」「思いやり」です。
職場でのメンタルヘルス支援は、「全員が悩みを打ち明けること」を求めるものではありません。むしろ、話すかどうかに関わらず、誰もが安心して働ける環境を整えることが目的です。
企業にとっては、単発の施策にとどまらず、メンタルヘルスを文化の一部として根付かせることが求められます。支援が継続的で、アクセス可能で、専門的であることは、個人だけでなく、チームや組織全体の健全性にもつながります。
働く人にとって、メンタルヘルスは仕事の一部であり、切り離されたものではありません。話すかどうかに関係なく、必要なときに支援が受けられる職場であることが、何よりも大切です。
健全な職場文化を築く側であれ、そうした環境を求める側であれ、支援の手は常に差し伸べられています。採用支援からリーダー育成、キャリア相談まで、明確さと共感、そして目的を持って前進する人々を支える取り組みが広がっています。