※最新のシンガポールの採用・転職市場の動向レポートがリリースされています。
世界11ヵ国で人材紹介事業を展開するJACグループは、拠点を展開しているシンガポールでの、2023年10月~12月の人材紹介の市場動向をまとめました。
求人数前年同期比:60%
求人数前期比(過去3年):
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
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10~12月 |
1~3月 |
4~6月 |
7~9月 |
10~12月 |
1~3月 |
4~6月 |
7~9月 |
10~12月 |
1~3月 |
4~6月 |
7~9月 |
106% |
131% |
100% |
112% |
90% |
151% |
96% |
156% |
68% |
157% |
59% |
95% |
7月~9月のシンガポールは建国記念日や大統領選挙など、さまざまなイベントが目白押しでした。建国記念日に際して実施された首相演説であるナショナルデーラリーでは、今後の住宅対策や、「Young Seniors」と呼ばれる50代と60代前半の方々に向けた老後支援、高齢者支援について触れられました。また、近年の政治家や公務員に関する不祥事に対する政治システムについては、シンガポールがクリーンであることを強調しました。6年に1回行われる大統領選挙では、ターマン・シャンムガラトナム前上級相兼経済政策調整相が有効票の70%以上を獲得し、就任が決まりました。
シンガポール貿易産業省(MTI)は、2023年通年のGDP成長率見通しを、従来の0.5~2.5%から0.5~1.5%に引き下げることを発表しました。電子機器業界を中心に製造業が急激に悪化しており、これがシンガポールの成長率を圧迫している要因とされています。
日系企業は引き続き採用を続けていますが、人件費や経営コストの上昇から、採用が難しい状況にある企業も多いのが現実です。また、9月からは新たなEP取得基準であるCOMPASSが導入され、これまでの申請者個人の給与や学歴だけでなく、企業の在籍スタッフの多国籍化やローカル人材比率など、企業側の審査も行われることになりました。
バックオフィス系や営業系のポジションでは依頼が多いですが、求人数は減少傾向にあります。MNC企業でも、世界的な景気減速や米中貿易摩擦、中国国内市場の減速がシンガポール経済に影響を及ぼしており、市場での新規雇用創出は停滞しています。技術産業も引き続き保守的な傾向があります。全体として、10月以降も非常に低調であり、2024年年明けからの回復が期待されています。
日本人求職者については、4~6月に比べ、7~9月は微減しているものの大きな変化はありませんでした。在シンガポールの日本語話者を対象としたセミナーを開催したことから、すでにシンガポールで働いている方やシンガポール永住権保持者の方の新規登録・再登録も増えました。転職後の希望として、在宅勤務をはじめとするフレキシブルな働き方を希望する求職者が多く、その点が応募承諾の際に重要なポイントとなるケースも増えています。また、永住権保持者は多くの企業からニーズが高く、転職活動開始から内定までの期間が非常に短いため、企業側は早めの決定を求められることが一般的になっています。

JAC Recruitment Singapore 社長
ファハド・ファルック
■JAC Recruitment シンガポール 概要
https://www.jacgroup.com/jp/locations/singapore
■JAC Recruitment シンガポール 転職サイト
https://www.jac-recruitment.sg/ja
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