ベトナム:経済状況が回復。下期にかけてのさらなる経済成長が期待される

求人数前年同期比:75%
求人数前期比(過去3年):

2021年

2022年

2023年

2024年

7~9月

10~12月

1~3月

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

4~6月

76%

60%

248%

111%

84%

67%

137%

119%

105%

91%

86%

92%

<国内情勢>

ベトナムでは憲法上、序列2位に位置する国家主席が新たに選出されました。最高指導部の辞任が相次ぐ中での就任となるため、今後の動向が注目されます。

ベトナム統計総局が発表した情報によると2024年1~6月期のGDP成長率は6.42%増となり昨年同期の3.72%増から大幅に増加しました。ベトナム経済の回復基調が見て取れる結果となっており、4~6月期のGDPは6.93%増とここ10年内で2番目に高い増加率となっています。海外直接投資(FDI)も増加しており、日本はシンガポールに次ぐ二番目の投資国となっています。このことからも引き続きベトナムマーケットは日本からの注目度が高いマーケットであることがわかります。

<企業の採用動向>

1~6月期における労働力人口の失業率は2.27%となり、コロナウイルスのパンデミック下にあった2021年7~9月期の3.72%に比べると労働市場も回復基調にあります。労働需要の大部分は労働集約型産業にあり、生産受注が増加したことで製造業界が昨年直面していた世界的な不況の影響を少しずつ抜け出しつつあることがうかがえます。

労働者の流動性が高くなる4~6月期は例年求人数も増加する傾向にありますが、今年も同様のトレンドがみられます。しかし、採用を希望する企業が増えるということは、採用の競合となる企業が増えることを意味するので、面接等の選考実施時に自社の魅力付けを行い、求職者から選ばれるように工夫していくことが必要となってきます。

<求職者の動向>

例年通り求職者の流動性が高く、多くの候補者が新しい機会を求め転職活動をしています。ただし、フリーランスや起業など就業形態の選択肢も増えてきており、候補者が仕事選びに際して、より慎重になっている印象を受けます。もともとベトナム人は学習意欲が高い方が多いため、教育・研修など企業に属して働くことのメリットをしっかりと伝えていくことが採用成功のカギとなりそうです。

日本人求職者数は4~6月期に入り増加してきており、現地化を目指す企業にとっては追い風となる可能性があります。

Thu Ha Nguyen

JAC Recruitment ベトナム法人 Regional Director
Thu Ha Nguyen

■JAC Recruitment ベトナム 概要
https://www.jacgroup.com/jp/locations/vietnam

■JAC Recruitment ベトナム 転職サイト
https://www.jac-recruitment.vn/ja

【ジェイ エイ シー リクルートメント アジア各社の求人数増減一覧】

前期(2024年1~3月)比

前年同期比

シンガポール

85%

79%

マレーシア

88%

100%

タイ

86%

71%

インドネシア

85%

77%

ベトナム

92%

75%

韓国

104%

81%

インド

157%

138%

日本(※)

99%

91%

※日本企業の海外事業関連求人
注)アジア各社の求人数については、アジア各社が意図的に講じた戦略(高額帯年収の求人やスペシャリスト層求人に特化するなど)により、増減する場合もあります。そのため、アジア各社の求人数の増減は、各社の業績を直接反映するものではありません。