インド:売り手市場による採用コストの上昇および採用期間の長期化

求人数前年同期比:96%
求人数前期比(過去3年):

2021年

2022年

2023年

2024年

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

65%

214%

114%

71%

121%

111%

107%

139%

109%

101%

79%

110%

<インドの国内情勢>

国際通貨基金(IMF)によると2024年4月1日を起点とする来年度のインドのGDP伸び率は6.5%となり、さらに 2025年も6.5%と好調を維持する見通しであると示しています。また、内需の底堅さを反映し、昨年10月時点の予想からそれぞれ0.2ポイント上方修正したと発表しました。インド財務省も来年度の成長率は7%前後と予想され、引き続き経済が好調であることを発表しています。

<企業のインドにおける採用動向>

インドの経済を表す一つの指標として自動車販売台数が挙げられますが、2024年3月までの販売台数が過去最高となるなど、インドの個人消費の伸びは堅調に推移しています。このような状況下で、多くの企業が部門強化もしくは増員のため採用活動を活発化しています。また、これまで様子見であった企業が本格的にインド進出することを決め、会社設立に伴う人材の採用が散見されたことも特徴でした。
採用マーケットは売り手市場となっており、優秀な人材を採用するとなると、競合他社からのオファー提示で想定していた予算よりも高い採用コストがかかるケースや、オファー提示しても辞退さることが多く発生していることから、採用活動の期間が長期化している企業が増えています。

<インドの求職者動向>

ローカルの採用マーケットは4月以降の評価期間に求職活動をする候補者が活発化します。自社の昇給率と転職先の昇給率を比較検討しながら少しでも良い条件で転職しようとするこの時期は、企業にとって非常に頭の痛い時期になります。
日本人の求職者については前年よりも海外就業を検討する数が増えていますが、インドのみに絞るということではなく、他の国も検討しながら、給与などの条件と海外就業を通して得られる経験をしっかりと考慮しながら、時間をかけてでも納得いく就職先を見つけるといった傾向にあります。

小牧 一雄
JAC Recruitment インド法人 社長
小牧 一雄

■JAC Recruitment インド 概要
https://www.jacgroup.com/jp/locations/country/india

■JAC Recruitment インド 転職サイト
https://www.jac-recruitment.in/ja

【ジェイ エイ シー リクルートメント アジア各社の求人数増減一覧】

前期(2023年10~12 月)比

前年同期比

シンガポール

108%

55%

マレーシア

118%

88%

タイ

108%

68%

インドネシア

122%

134%

ベトナム

86%

97%

韓国

76%

57%

インド

110%

96%

日本(※)

109%

92%

※日本企業の海外事業関連求人
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