マレーシア:経済成長に伴い労働市場も順調な回復へ

求人数前年同期比:88%
求人数前期比(過去3年):

2021年

2022年

2023年

2024年

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

116%

95%

104%

105%

105%

131%

61%

132%

78%

111%

87%

118%

<マレーシアの国内情勢>

2024年1~3月期のマレーシア経済は好調で、ASEAN地域全体の成長予想を上回り、有望視されています。GDPは5%成長すると予測されており、これはASEANの予測値4.8%を上回ります。マレーシアは進行中の半導体ブーム、米国製品への旺盛な消費、旅行やサービスに対する高い需要といった要因のおかげで、ASEANにおける経済成長のリーダー的存在となっています。この成長率予想は、マレーシア中央銀行の予想とほぼ一致しており、来年の経済の見通しが明るいことを示唆しています。2024年のインフレ率は2.5%と安定しているものの、政府が補助金の支給方法を変更する予定であるなど、潜在的なリスクに対する懸念があります。さらに、商品価格の世界的な変動、中国経済の低迷、米国大統領選挙をめぐる不確実性など、マレーシアの成長にとって課題となりうる外部要因も懸念されます。しかし、マレーシアは半導体売上高の増加による恩恵を受け、来年末までにピークに達すると予想されています。

<企業のマレーシアにおける採用動向>

マレーシアの雇用市場は回復の兆しを見せ、失業率は3.3%と低水準で推移し、雇用者数は昨年比2%増と着実に増加しています。2019年のパンデミック前の平均よりは少し高いですが、失業者数は昨年より5%近く減少し、2024年1月には56万7000人となり、改善に向かっています。雇用形態別に見ると、企業に勤める従業員が約75.2%と大半を占め、前年比で約1.3%増加しているのは興味深い点です。このような雇用市場の健全化は、個人の就職に有利なだけでなく、個人消費にも弾みをつけ、ひいては今年の経済成長の下支えとなりそうです。さらに、2024年1月のマレーシア国内の求人件数は約94,100件まで回復しており、新たな機会を求めている人々にとって状況は好転しています。

<マレーシアの求職者動向>

求職者は活発化する転職市場に対して積極的にアプローチをしています。ダイナミックに変化する環境に適応し、求められる人材として競争力を維持するためには継続的な学習とスキル向上の必要性があると考えています。さまざまな教育コースやワークショップの受講、新しいソフトウェアプログラムの習得など、スキルセットの幅を広げる手段を具体的に検討しています。スキルアップやリスキリングの機会を積極的に求めることで、求職者は専門的能力を高めるだけでなく、個人の成長や自身の能力開発に投資していることがアピールポイントにもなります。

ニック・テイラー

JAC Recruitment マレーシア法人 社長
ニック・テイラー

■JAC Recruitment マレーシア 概要
https://www.jacgroup.com/jp/locations/malaysia

■JAC Recruitment マレーシア 転職サイト
https://www.jac-recruitment.my/ja

【ジェイ エイ シー リクルートメント アジア各社の求人数増減一覧】

前期(2023年10~12 月)比

前年同期比

シンガポール

108%

55%

マレーシア

118%

88%

タイ

108%

68%

インドネシア

122%

134%

ベトナム

86%

97%

韓国

76%

57%

インド

110%

96%

日本(※)

109%

92%

※日本企業の海外事業関連求人
注)アジア各社の求人数については、アジア各社が意図的に講じた戦略(高額帯年収の求人やスペシャリスト層求人に特化するなど)により、増減する場合もあります。そのため、アジア各社の求人数の増減は、各社の業績を直接反映するものではありません。