韓国:年初から堅調の自動車関連業界の採用ニーズが拡大

求人数前年同期比:57%
求人数前期比(過去3年):

2021年

2022年

2023年

2024年

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

167%

88%

117%

90%

96%

84%

125%

104%

73%

169%

60%

76%

<韓国の国内情勢>

ディスプレイや自動車関連は昨年末から引き続き堅調で、輸出額も今後も伸びることが予想されています。
輸出が増えた一方、国内販売に限ってみるとHyundai、起亜の2大自動車メーカーの売り上げは昨対で減少しています。しかし、これは販売量からクオリティなどの付加価値販売への転換期における一時的なものと見られています。実際に利益重視の方針へ変わっているHyundaiは、1~3月期の営業利益は過去最高となりました。
サムスン電子が2023年12月期の事業別業績で半導体部門の営業損益が14兆8800億ウォンの赤字を発表し、SKハイニックスは2023年10~12月期は1年ぶりに黒字転換するものの、半導体業界は低調です。

<企業の韓国における採用動向>

1~3月期は二次電池やHEVなどの自動車業界関連業種の求人が前期比と比較して微増しました。ただ自動車関連の輸出が好調なため、欠員補充というよりも先行投資フェーズの増員ニーズが増えた印象です。母数の少ないニッチ領域の技術者やキャリア営業人材は30代の即戦力を求める声が多かったのですが、1~3月期は採用難が加速したこともあり、年齢層の幅も出てきています。また、日系企業からの求人は日本語スピーカーを求める声が多い状況ですが、最近、特に若手の人材が少ないため採用が難しくなっています。また、ここ最近は韓国を起点に東アジア、近隣諸国へ事業を展開するケースも増え、英語スピーカーや中国語スピーカーの求人も増えています。自動車関連業界、二次電池関連業界の展望は引き続き良いと予想されており、採用拡大計画という話も多く聞かれます。

<韓国の求職者動向>

半導体業界も引き続き動いてはいますが、自動車業界の輸出が堅調なため、自動車関連二次電池&HEV業界の採用ニーズに対して業界の人材が動き始めています。特に、営業職人材の採用ニーズが増えていますが、韓国のインフレが続く中、条件を求めて動く候補者も増加しています。全体的に給与額は上がっていますが、物価がそれ以上に上がっているので、条件アップへの意識やニーズは高まっているものの、それでも転職には慎重になる候補者が多いようです。
給与面で日本と逆転するというポジションも出ていますが、マーケットの中で日系企業の採用力は高くありません。

加藤 将司
JAC Recruitment 韓国法人 社長
加藤 将司

■JAC Recruitment 韓国 概要
https://www.jacgroup.com/jp/locations/korea

■JAC Recruitment 韓国 転職サイト
https://www.jac-recruitment.kr/ja

【ジェイ エイ シー リクルートメント アジア各社の求人数増減一覧】

前期(2023年10~12 月)比

前年同期比

シンガポール

108%

55%

マレーシア

118%

88%

タイ

108%

68%

インドネシア

122%

134%

ベトナム

86%

97%

韓国

76%

57%

インド

110%

96%

日本(※)

109%

92%

※日本企業の海外事業関連求人
注)アジア各社の求人数については、アジア各社が意図的に講じた戦略(高額帯年収の求人やスペシャリスト層求人に特化するなど)により、増減する場合もあります。そのため、アジア各社の求人数の増減は、各社の業績を直接反映するものではありません。